【レポート】気になるコラボvol.2
- 小西由稀
- 2023年10月2日
- 読了時間: 6分
「キノコ」をテーマにした私の妄想企画「気になるコラボvol.2」が、9月27日に無事に終了。
ご参加の皆さま、ありがとうございました!

この画像は、田畑シェフがつくってくれたウエルカムキノコ。
普段キノコ採りに行く時に使うバスケットに素敵に盛り付けてくれました。
ゲストのみなさんも大喜び!
今回はこのメンバーと、フンギ堂のソムリエール・山本さんの4名でみなさんをおもてなし。
(左から高雄の綿谷さん、フンギ堂の田畑さん、小西)

今回もメニューの記録を兼ね、レポートしたいと思います。
※画像のご協力をいただいたPさん、Jさん、ありがとうございました。
今年は酷暑と残暑の影響で、秋のキノコが遅れに遅れ、当日に間に合うのかハラハラドキドキ。
今回お願いしたふたりの料理人は、キノコ料理をつくるだけではなく、食材となるキノコを採るという重要なお役目があるので、その分プレッシャーは大きかったと思います。
やっとイベントの数日前に和に使うキノコも、洋に合うキノコも出てきてくれました。
和に使うキノコと洋に使うキノコは本来、タイミングがずれて発生するようですが、今回は同じ時期に出てきてくれて、結果的にラッキーでした。
菌の神様ありがとう!ほっと胸をなでおろす、料理人たちと主催者です。
<当日のお品書き>
※料理名を明らかにしては面白くないため、使うキノコとメイン食材のみをお品書きに記しました。
1.「今朝採りのキノコから一品」「タマゴダケ、塩水ウニ」(フンギ堂)

「今朝採りのキノコから一品」は、イベント当日の朝に採ってきたばかりのキノコを使い、田畑シェフがキッシュを焼いてくれました。ヤマドリダケ、ススケヤマドリダケ、ゴヨウイグチ、タマゴダケ、アオネノヤマイグチが入ったキッシュは、香りと旨味が抜群!
もう一品は「タマゴダケと塩水ウニのブルスケッタ」を。
どちらもみなさんの心をつかむ、絶好のスターターに。
2.「松茸、新蕎麦、鮎」「落葉、鮑、松前」「ボリボリ、九絵、唐墨」(高雄)

続きまして、高雄さんらしい3品盛り合わせ。
黒松内町産を外一で打った新蕎麦には、松茸、自ら釣った鮎の甘露煮をのせて。
落葉は鮑、刻み昆布と合わせて松前漬け風に。
ボリボリは、酒米・彗星でつくった麹で塩辛に仕立てました。久絵(クエ)のお刺身を、ボリボリの塩辛と唐墨で味わうという趣向がたまりません。
3.「松茸、スッポン」(両店のコラボ)

両店がコラボした「スッポンのもも肉を包んだトルテッリーニ・イン・ブロード」です。
高雄さんがスッポンを丁寧に炊いて、下ごしらえを担当。
田畑シェフが手打ちをした生地でスッポンのモモ肉を包んだラビオリのようなパスタ・トルテッリーニを、スッポンのスープに松茸の香りを移し、さらにさまざまなキノコのブロード(出汁)で味わいを調整したものです。
深い味わいと香りで、ブロードを飲み干した後に器に残る香りさえ愛しいひと品。

トルテッリーニを包むのも共同作業で。
4.「香茸、タチ」(フンギ堂)

香りと旨味がすばらしい香茸。「香茸は滅多に見つけられないんですよ」と、綿谷さん。でも、香茸ハンター・田畑シェフは香茸を見つけるのが得意で、今回もたっぷり香茸を楽しんでいただきました。
フンギ堂の秋冬の名物・「タチのパルミジャーノ焼き」を、今回のためにつくった「イカスミと香茸のソース」と一緒に提供。
イカスミのコクはそのままに、香茸の香りが広がる最強のソース!
さらに、香茸のフリットもお付けしました。香茸をフリットにするって、何て贅沢なのでしょう。
5.「松茸、甘鯛」(高雄)

「甘鯛の松笠揚げ(うろこ揚げ)」は、甘鯛の白湯と松茸のあんと一緒に。甘鯛のアラをしっかり煮出した真っ白なスープに松茸の香りを加えました。
6.「アカヤマドリ、滝川産鴨、蕎麦」(両店のコラボ)

こちらも両店のコラボです。北イタリアのロンバルディア州では、蕎麦粉を使ったパスタ・ピッツォッケリがあります。
このメニューは、綿谷さんが二八で打った摩周蕎麦をピッツォケリとして使用(本来、ピッツォッケリには卵を練り込みますが、今回は蕎麦そのものを使用)。
ラグーソースは、滝川産の鴨肉とアカヤマドリで。
通常メニューにオンリストしてほしいとの声多数。「蕎麦を健太郎に発注してやろうかな」と、田畑シェフ。実現するといいなぁ。
7.「ポルチーニ、別海牛ヒレ」(フンギ堂)

メイン料理は「別海牛ヒレ肉のポルチーニ仕立て」。
大きなポルチーニの傘の部分を一度コンフィにして、仕上げてさらに火入れし、ヒレ肉のステーキの上にのせました。

「見た目がまるでポルチーニのようでしょ」と、田畑シェフ。同じサイズのポルチーニを参加者14名分揃えるのは大変だったと思いますが、さすが田畑シェフですね。
8.「ボリボリ、ノボリリュウダケ、ハナビラダケ、マスタケ、松茸、帆立貝柱、イクラ」(高雄)
お食事は、綿谷さんの「土鍋ごはん」です。ボリボリ、ノボリリュウダケ、ハナビラダケ、マスタケ、ホタテの貝柱と一緒に炊き込みました。ノボリリュウダケ、初めて聞きました。
香りが良いもの、旨味があるもの、食感がいいもの、さまざまなキノコの魅力がぎゅっと凝縮された土鍋ごはんは最高!

しかも、卵のおいしさを引き出した新イクラの醤油漬け、食べ応えのある松茸を仕上げにのせた特別版です。
漬物はカブとハナビラダケをブドウ酢で漬けたものを。
9.「ポルチーニ、香茸、ハナビラダケ」(フンギ堂)

「せっかくなら、デザートまでキノコにしませんか?」という、私の無茶ぶりを叶えてくれたデザートです。
「ポルチーニのプリン、香茸のジェラート、ハナビラダケの白ワイン煮」。これまで食べたことのない、印象深いクロージングだったと思います。
ご参加のみなさんもふたりの料理人も終始とても楽しそうで、主催者冥利に尽きます。

今回、松茸だけは北海道産を採ることができず、チベット産を使用。
それ以外はおふたりが採った北海道産。
全14種類のキノコをフンギ堂の料理、高雄の料理、そして両店のコラボ料理で味わっていただきました。

この画像は綿谷さんが採ってきてくれた、松茸の赤ちゃん。まだ親指サイズですが、香りはちゃんと松茸!
「このふたりならきっと楽しそう」と妄想し、オファーした後に知ったことですが、おふたりは大学の同級生で、学生時代からの知り合いだったそうです。
知っている仲であっても、一緒に仕事をしたり、他店の厨房に入ったりすることはないので、「いい機会だった」「楽しかった」と仰っていただき、嬉しい限り。

当日朝までキノコを採り、仕込みをしてくださったおふたりには、感謝と敬意でいっぱいです。
ありがとうございました!
(キノコを愛する田畑シェフはTシャツもエプロンも靴下もキノコ柄という”正装”。綿谷さんの胸にもキノコのバッジが)
3回目は?と聞いていただくことが多いのですが、3回目は来年に…と思っています。
準備ができましたら、早めにお知らせするようにします。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
Comments